老
先程までミュージックステーションを観ていた。
その中の特集にて私が産まれた年の名曲を今の十代に聞かせようと言う内容で、いやいやまだ十代だし、そこまで昔でもないだろうと憤慨しようとしたとき端と気づいた。
嗚呼、自分は二十代になったのだった、もう昔のこととなったのだな、と。
それと同時に自分が黄金の世代から遠ざかっているのだという侘しさがこみ上げ、大変複雑な思いである。 改めて振り返ってみると、私は今まで多くのものを喪ってしまっていた。
自慢ではないが、一通りの『底辺』は経験してきたし、当時の独特のどうしようもない寂しさに似た寒さをそぞろに思い出すときもある。
しかしながら、喪うばかりの半生ではなかった。
高校では多くの友人に恵まれたばかりでなく、割りと鋼の身体を手に入れることができ、昔の自分を乗り越えることに成功したように思える。(大変月次な言葉ではあるが、今の私に気のきいた言葉を紡ぐ能はない)
更に大学においては、私を先輩と呼び慕ってくれる後輩すらいる。
私自身くだらない人間ではあるが、何と幸福者であろうか。
さて、過去を省みるのはこの辺りにして、今何をすべきかを考えねばならない。